みなさん、こんにちは、1か月ぶりの更新になってしまいました。みなさんはいかがお過ごしでしょうか?本日は、VR(ヴァーチャルリアリティ)について書こうと思います。
VRは、ここ数か月で私のような素人にもわかるくらい、注目を浴び始めています。「ITPro」の記事【「VR元年」2016年度の市場規模は82億円、5年後には21倍の1700億円まで急拡大】
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/072600158/012600026/
によれば、「VRコンテンツとVR HMDを合計したVR市場規模は2016年度が82億円、2021年度は21倍の1756億円となる見込み。」ということだそうです。
急加速すると予測されている要因は、2020年度に5G(第5世代移動通信システム)がサービス開始の予定となっていること、東京オリンピック、パラリンピックに向け、VRコンテンツが提供される大きなチャンスがあること、があるようです。今まで知らなかったのですが、2016年夏には、Premiereが360 VRや8K映像対応を発表していました。
そんなこんなで、どうやら指数的な市場規模の加速をする勢いを持っているVRですが、Cinema 4Dの新機能に入っていたのはそういうことだったのか、と改めて思った次第です。
今回はCinema 4Dで8K出力を行い、さらにはYouTube360でコンテンツをアップするまで行うチャレンジをしてみました。ちょっとオーバースペック気味かと思っていた自作マシンが、フルパワーでも厳しいという嬉しい(?)悲鳴状態になりました。難問の連続でしたが、一度分かってしまうと非常に単純な作業の連続であります。本日の記事を読めば、ある程度のスペックのあるPCがあれば、だれでもできるレベルの作業になること、請け合いです。
目次
1まずはCinema 4Dで8Kの画像を連番出力する
Cinema 4D R19以前でも、プラグインを使って360度画像を出力することが可能でしたが、やはりR19の新機能「スフィリカルカメラ」を使った方が、格段に楽に出力することができます。
まずは、可能な限り実寸でシーンを構築します。実寸で構築する理由は、視点の高さがVRでは重要だからです。
次に、新規にカメラを作成します。実は、このことが分からなくて数週間を要してしまい、この記事が遅れる原因ともなってしまいました(言い訳)。カメラは新規作成してそれに「スフィリカルカメラ」のチェックを入れるだけです。デフォルトのカメラではVRはできないとうことに、なぜ、気付かなかった・・・・(涙)
スフィリカルカメラを設定したカメラでレンダリングすると、「正距円筒図法」でレンダリングされる(FOVヘルパー?)ので、これをこのまま使えばOKです。
そして、カメラの位置で、特にY座標を目の高さ(身長170cm程度を想定している)にします。
次に、レンダリング設定を行います。解像度が2Kや4Kだと、2次元で表現するならこれでよいのですが、周囲をぐるっと見渡すVRでは、解像度に不足感が生まれます。なので、できれば8K解像度の7630×4320のピクセルをカスタム設定することをお勧めします。ただし・・・・・半端ないレンダリング時間がかかります。簡単なシーンのレンダリングで6秒間しかないのに、なんと3時間超かかりました。Core i7-7700Kでさえこれなので、これ以下のCPUを搭載したPCだと、もっと時間がかかるでしょう。(グラボはレンダリング時間を短縮してくれない・・・・涙)しかも、メモリーは16GBではたぶん足りなくなります。自分のシステムは今現在16GB(一部壊れてしまった)ですが、レンダリングは15.2GBあたりまで使っていました。たぶん、ホントはもっと必要なんだろうけど、PCが仕方なく仮想メモリを使ってレンダリングしてくれたのだと思います。8K動画レンダリングには、最低でも32GBメモリーは必要になるでしょう。

2Premire Proで8K動画にする
そして、次はPremiere Proで、連番で吐き出した画像を動画化します。さすが、Premiereは、グラボのCUDAコアを使用する設定になっているせいか、GTX1080の力を(それでも1/3程度だが)使ってレンダリングしていました。ただ、ここでも今までにない難問が発生。YouTube360のガイドラインにH.264のコーデック指定があるにも関わらず、Premiereではそのコーデックでは4Kしか出力できません。
は?と思ってネットでググると、どうやらH.265なる次世代フォーマットのコーデックがあることが判明。これでレンダリングして動画ファイルができました。このコーデックで圧縮した動画は、どうもWindows標準の動画プレイヤーでは再生できないので、H.264でまずはチェックしてみるといいかもしれません。H.265の圧縮効果はすさまじく、ファイルサイズが今までの1/10以下という驚異の圧縮率になりました。

3YouTube360用に「360 Video Metadata」を追加する
次に、またまた難問が発生。通常のアップロードでは360度フォーマットと認識してくれません。Youtube 360用のメタデータを動画ファイルにくっつける作業が必要になるようです。これも、やってみると意外と簡単で、https://support.google.com/youtube/answer/6178631?hl=ja
の「ステップ2」にある「360 Video Metadata アプリをダウンロード」して、このソフトを起動して、動画ファイルを読み込み、「inject metadata」ボタンをクリックするだけです。下記の画像は、YouTubeの360動画helpサイトでの情報です。
※↓この画像は直接作業とは関係ありません。

4あとはYouTubeにアップロードするだけ
ここからは、いつものYouTubeアップロードと同じです。筆者はこのプロセスを標準化するために1か月以上の時間がかかりましたが、これを読んだあなたは。半日もかからず、できるようになるかもしれません。少しでもお役に立てれば、幸いです。
最後に、筆者の作成したVRテスト動画を載せます。VRゴーグルがなくても、ドラッグでぐるりと周囲が見渡せます。
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